世間一般に使われていることばでありながら、
法律上で使う場合と、世間一般で使われている場合では、
意味が微妙に異なることばを紹介します。
なんと、それは、「子」です。
今回は、育児に関係する項目を社会保険科目と労働保険科目から拾い出してみました。
育児とは?
育児(いくじ)
乳幼児を育てること。
(2013年:新明解国語辞典)
幼児とは??
乳幼児(にゅうようじ)
乳児と幼児・乳児(にゅうじ)
生後1年ぐらいまでの乳で育てられている子供。ちのみご。
・幼児(ようじ)
乳離れしてひとりで立ち歩きする時分から物心が付く前後までの子供。(2013年:新明解国語辞典)

う~ん、「物心がつく」って、どういう意味なのでしょうか?。
物心がつく(ものごころがつく)
子供が、世の中の裏表や、デリケートな人間関係や人の気持ちなどについて分かり始める。(2013年:新明解国語辞典)
物のよしあしや、人の気持ちがわかる。(1997年:三省堂国語辞典)
世間の有様や人情を理解する。(1983年:岩波国語辞典)

そして、物心がつくのは何歳ぐらいなんでしょうか?
幼児(ようじ)
おさない子ども。おさなご。
〘法律では、満1歳から小学校へはいるまでの子ども〙(1997年:三省堂国語辞典)
おさない子ども。おさなご。(1983年:岩波国語辞典)

つまり、1997年:三省堂国語辞典によれば
幼児とは
『満1歳に達したときから
5歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある子ども』
と解釈できる!!!

この資料(1997年国語辞典)だけでは、いささか不安ですなぁ。
アオクサさんの解釈を実際の法律ごとに照合?してみましょう。
余談ですが、例えば
「育児介護休業法」は1991年に制定されました。
「育児休業給付金(雇用保険法)」は1994年に創設されました。

赤ん坊の発育のような、
何億年前?から、つづいてきた生命の形成を
後から人間様がつくつた
社会通念である「年齢」に当てはめるのには、
無理がでてしまうのでしょうね。

それを承知の上で、当てはめると
法律上の表現はどうなるのか?
を見ていきましょう。
「幼児」の世間一般での使われ方の例
幼児教室

要するに、子供によって乳児でなくなる(乳歯が生える)時期も違うし、
物心がつく年齢も違いますから、個人差があるというかんじで私はとらえました。
社会保険科目・労働保険科目での幼児は何歳??
育児が使用されている名称
育児・介護休業法(科目:労働保険一般常識)
育児休業給付金(科目:雇用保険)
出産育児一時金(国民保険法/科目:社会保険一般常識)
子の定義
育児介護休業法⇒
原則:1歳に満たない子
特例1:1歳2か月に満たない子
特例2:1歳6か月に満たない子

結局、原則は〇歳で、
特例は〇歳という表現で
さまざまな条件をつけて
あいまいさの回避を試みているようです。
ざっくりな表現になりますが、
育児介護休業法の子とは「1歳6か月に満たない子まで」を指しますね。
以上、お読みいただき、ありがとうございました。

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