判例によく出てくる「合理的」って語の持つ意味の範囲はどんな感じなのか、調べました。
「合理」の語の意味は大別すると3つあります。
理性・理論に合った:ラショナル
ラショナル
rational:理性のある、道理をわきまえた
(⇔ irrational)
理論に基づいているさま。従って論証が可能なさま。
弁解・正当化のための理由づけをすること。
合理主義:合理的に割り切って考える行き方。認識の起源を理性に求める認識論上の立場。 代表者デカルト、スピノザ、ライプニッツ
理屈に合った:リーズナブル
リーズナブル
reasonable:筋の通った、もっともな、無理のない、ほどよい、あまり高くない
(⇔ unreasonable)
激情や狂気などに動かされない様子。
障害者雇用促進法などにも登場する 「合理的配慮(reasonable accommodation)」 という語は、「リーズナブルな」の代表例です。 アメリカにおける合理的配慮の概念 (内閣府HP 障害者施策について)
実際的な:プラクティカル
プラクティカル
practical:現実的な、実際的な、効果的な、実務について適した
(⇔ impractical )
科学的認識に適合している様子。科学的。
無駄がなく能率的であるさま。
合理化:新技術の導入や適正な人員配置などによって作業効率を向上させ、また、経費の削減を図ること。「合理化を進める」
試験対策としてはリーズナブルで良い。
判例で使われる「合理的」は「リーズナブル」の意味で解釈しておいてよい。
合理的:理に合っている ⇒ リー(理ー)ズナブル
⇒ リーズナブルな値段
理に合っている・リーズナブルとは: みんなが納得できること。 もっともであること。 でたらめではないこと。
どうであれば合理的なのか(具体例)
リーズナブル
reasonableとはreason + able
reasonとは、理由、根拠 + ableとは、~することができる。
リーズナブルをその語の成り立ちから 意訳すると、「根拠を示すことができる」 つまり「根拠を提示できる」 のであれば「合理的」かどうか具体的に検討できる。 という解釈が成立しませんか? (論拠となる資料は見つかりませんでしたので、 私、個人の見解となります。)
(受験生がここまで考えることではない気がしますが、・・・) 例えば、・・・ 議論(裁判)の論点となっていることがらが、 就業規則に書かれていて、 常に労働者と共有されている状態。 なのであれば、合理的と言える。 もしくは、 少なくとも合理的かどうかの検討の余地となる。
このあたりの実務のアドバイスを行う専門家が
社労士なのでしょう。
参考文献
- 「裁判おもしろことば学」 大河原真美 著 大修館書店
- 「岩波国語辞典 第4版」 岩波書店
- 「新明解国語辞典 第7版」 三省堂
- 「Mini Dictionary 現代文・小論文」 朝日出版社
- 「ライトハウス和英辞典」 研究社
- 「反対語辞典」 集英社
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