所轄と管轄に”意味”の違いは無いが、所轄は”使用する組織(機関)”が限定的である
三省堂 国語辞典 第4版 1997(平成9)年発行
◆管轄:権限によって支配すること(範囲)「文部(科学)省のー」
◆所轄:①管轄。うけもち。また、その範囲。②省略した形として:(その区域を受け持つ)警察署
引用元
「所轄」は行政機関の権限の範囲を表します。
「踊る大捜査線」でもおなじみの「ショカツ」ですね。
一方、
「管轄」は行政機関だけでなく、
司法機関も含めた公の期間一般の権限の範囲を表します。
「この地域は○○裁判所の管轄です」と使い、
「裁判所の所轄」とはいいません。
「裁判おもしろことば学」 大河原眞美 著 大修館書店 2009年
利用範囲が所轄の方が狭いイメージがつかめましたでしょうか?
「所轄」は
行政機関の
職業用語
みたいなかんじですな。
所轄は使われる範囲(機関)が限定的であることがわかります。
しかし、これだけの情報では、
行政機関の場合、所轄でも管轄でも
どちらを使ってもよくなってしまいます。
行政機関で区別して使われるようになった経緯を推測
(ここは、信頼度の高い証憑がないため、個人の推測の域を出ません。) ・上位下達(トップダウン)の統制、管理の流れ(方向)の場合は所轄 例)事務の管轄の場合 厚生労働大臣 =>所轄都道府県労働局長 ==>所轄公共職業安定所 ===(・・・=>事業所) ・ボトムアップの申請の流れ(方向)の場合は管轄 例)教育訓練給付の場合 (被保険者)または(日雇労働被保険者) ===>管轄公共職業安定所
社労士試験で”直接”問われたことは無いが”知っトク”フレーズがある
雇用保険法において
所轄公共職業安定所(長)と
管轄公共職業安定所(長)
2つの言い方が存在していて、
違う意味として、
使いわけています。
◆事業所の所在地を管轄する
=>所轄公共職業安定所
◆その者の住所または居所を管轄する
=>管轄公共職業安定所
しかし、ここにあまり神経質になる必要はありません。
試験で直接問われたことはありません。
しかも、「所轄公共職業安定所」を示す場合に試験問題内では、
「所轄公共職業安定所」 とは記載せずに、
必ず以下の文言(フレーズ)で記載されるのです。
雇用保険法 平成21年 問2-A ・平成28年 問1-B
「事業主は、・・・・・事業所の所在地を管轄する公共職業安定所の長に提出しなければならない。」
試験対策:覚え方、思い出し方
万が一、「ド忘れ」したときに、
どう思い出すか?を決めましょう。
「人間も、三歩歩けば、全て忘れる。」
詠み人知らず
普通バージョン
事業所の所在地を管轄は所轄。それ以外は管轄。
これで覚えられれば、十分です。
普通の人はこれで理解し、
頭の中を整理できてしまうのだが・・・。
ばかばかしい連想バージョン
そうです、私は
変なおじさんです。
だから、
次のような
連想をしてしまうのです。
あっれ~「ショカツ」ってどっちだったっけ?
ショカツ、ショカツ、・・・
(三国志の)諸葛孔明をイメージして・・
「諸葛孔明、蜀の人。」
「諸葛孔明、蜀の人」
=>所轄(ショカツ)
==>ショカツコウメイ蜀(ショク)の人
===>蜀(ショク)
====>職(ショク)場
職場の管轄
(職場の人・・・会社の人事労務担当者をイメージしています。)
職場の人が届け出るのがショカツだ。
∴職場の人が届け出る書類は所轄へ
被保険者が届け出る書類は管轄へ
これは、一つの公共職業安定所の建物内で
所轄の業務をする窓口(部署)と
管轄の業務をする窓口(部署)に
分かれているということです。
以上、ご覧いただきありがとうございました。
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