今回は、普段使い慣れない法律文の表現を
日常会話に取り入れて、身近なものにしてしまう
勉強法(?)を紹介しています。
法律条文サンプル
健康保険法3条5項
健康保険法3条5項
この法律において「報酬」とは、賃金、給料、俸給、手当、賞与その他いかなる名称であるかを問わず、労働者が、労働の対償として受けるすべてのものをいう。ただし、臨時に受けるもの及び3月を超える期間ごとに受けるものは、この限りでない。
厚年法3条1項3号
厚年法3条1項3号
「報酬」とは、賃金報酬 賃金、給料、俸給、手当、賞与その他いかなる名称であるかを問わず、労働者が、労働の対償として受ける全てのものをいう。ただし、臨時に受けるもの及び3月を超える期間ごとに受けるものは、この限りでない。
キーッ。
なんか、この条文、むかつくぅ。
「この限りでない」を
「除かれる」に
置き換えればわかりやすいですよ。
法律を読んでいて感じる
ストレスのようなもの
は意外に
こういうところにある
気がしています。
法律条文サンプルの
報酬についてを
より噛み砕いて
整理をしたい方は、
過去記事こちらも、
もしお時間がありましたら、
参考にしてください。
「この限りでない」とは何者か
「この限りでない」の前を探すと、必ず「ただし、」が見つかります。
「△△とする。ただし、・・・・のものは、この限りでない。」
例外を規定するときの言い回しです。
「ただし」は、主に
条文の読み方 法制執務用語研究会 有斐閣
①本文の内容に対する例外や制限を規定する場合に用いられるほか、
②本文の一部の内容についての追加的、説明的な規定をする場合、
③解釈上の注意規定を置く場合
などに用いられます。
「この限りでない」
条文の読み方 法制執務用語研究会 有斐閣
この表現は、多くは、本文の後にただし書きとして「ただし、・・・・この限りでない。」という形で用いられます。
そして、前に置かれた規定に対して、その全部又は一部の適用を特定の場合に除外することを意味します。
法的には、前に置かれた規定を消極的に否定するだけであり、それ以上の積極的な意味はありません。
否定された場合にどうなるかについては、明示的に規定を置くべきであるとされています。
なんか悔しいので、ちゃかす
「この限りでない」という言い回しを、
偉大な名言に追加して、
その品位を貶めて
ちゃかす試みです。
留意事項:
追加したフレーズは青文字で表記しています。
追加したフレーズはあくまでも私個人の妄想、憶測、想像の範囲内のことです。
したがいまして、何ら裏付けやエビデンスなどはありません。
(すべてフィクションです。つまり、作り話です。)
憲法編
日本国憲法25条
「すべての国民は、
健康で文化的な最低限度の生活を
営む権利を有する。」
ただし、俺たちの世界のものはこの限りでない。
前項ただし書きの場合には、親分の承認による。
ドラゴンボール編
(第一形態)
わたしの戦闘力は530,000です。
ただし、お風呂に入ってるときはこの限りでない。
(・・・・バスタイム中の攻撃は控えてください。)
(第一形態)
わたしの戦闘力は530,000です。
ただし、花粉の季節はこの限りでない。
(・・・・花粉アレルギーなのです。)
(第一形態)
わたしの戦闘力は530,000です。
ただし、チョコミントをくれるものはこの限りでない。
(・・・・チョコミントには目がないのです。)
北斗の拳編
お前は、もう死んでいる。
ただし、呼吸をするものはこの限りでない。
???
禅問答???
画像提供:北斗の拳オフィシャルサイト
歴史人物編
余の辞書に不可能という文字はない。
我輩の辞書に不可能という文字はない。
私の辞書に不可能という言葉はない。
ただし、不能のものはこの限りでない。
「フ・ノ・ウ」
どういうこと???
ゴメンナサイ。
ヨクワカリマセンデシタ。
不能(ふのう)
新明解国語辞典
①しようとしても出来ないこと。「再起不能」「操縦不能」(⇔「可能」の対義語)
②能力・才能がないこと。無能。
所感
こうしてみると、
「ただし」・・・・「この限りでない」という言い回しは、
日常的に用いた場合
素敵な感動的、名セリフでさえも
サラッと否定してしまう
破壊力をもったフレーズです。
そして、
「否定された場合はどうなるかについては、
明示的に規定を置くべきである」
と書籍「条文の読み方」法制執務用語研究会
にも記載されているように、
この表現(言い回し)のみで
完結させてしまいますと、
無責任な印象を
聞き手に与えてしまう気がします。
その点から、
「一度は使いたくなるけど」
「使うには豊富な知識量が伴わないと、
ボロが出る難易度が高い表現」
かな~ぁ。
と感じました。
余計なこと「最近の小さなムカつき」
ゴメンナサイ。
ヨクワカリマセンデシタ。
ゴメンナサイ。
ヨクワカリマセンデシタ。
アレクサくんが言い放つ
「ゴメンナサイ、ヨクワカリマセンデシタ」という表現も、
(オンライン会議など一部では許される場合があるかもしれませんが・・)
言葉が通じ合い感情を持ち合わせている
人間同士が対面で使う場合は、
相手に悪い印象を与えてしまう。
使うと損する表現でなるべく避けたい表現かと私は思います。
慇懃無礼(いんぎんぶれい)な印象を与えてしまいかねません。
損すると思う具体的理由は、次の通りです。
良くわからなかったところが
どこだったかを
相手に伝え返せていないから。
人間は会話相手が
「アレクサちゃんの自動音声」だから
大目に見て、許していることもありえます。
だから、良い子はアレクサちゃんの口癖のマネが
つい口をついて出てしまったときは気を付けてください。
気づいたらその場で訂正しましょう。
アレクサちゃんは模範解答ではありません。
ときたま、メディアに出演している方でも
対面でこの表現を使っている大人をお見掛けしますけれども・・・。
意図的か、無自覚なのか
(自宅にアレクサちゃんがいるのかな?)
いずれにしても
その方は、言葉を扱う職業人として損している気がします。
冷静に考えて、人間がアレクサちゃんの自動音声のまねをして
発言して得することなどありません。
ただし、お笑い番組のものはこの限りでない。
以上、おつきあい、ありがとうございました。
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