これは、社労士試験勉強の
「社会保障協定」について、
試験合格に必要のない
余計なことを記しています。
最新情報は、以下のリンクを参照ください。
日本年金機構(各国との社会保障協定発効状況)
社会保障協定(※最後に条文抜粋あり)とは、日本が諸外国との間で
主に年金制度について締結している約束事です。
協定締結の順番が
出題されることがあったりします。
1番:ドイツ H12年.2 2番:イギリス H13年.2 : 22番:スウェーデン R4.6
こんな順番に
何の意味があるのやら?
暗記する意義があるんかい!!
ドイツとの協定が最初なのはどうして?
結びやすかったから。
間違いではないが・・。
世界最初の社会保険はドイツで始まった。
社会保険の発祥はドイツです。
社会政策というコンセプトで
1881年 オットー・フォン・ビスマルク(当時66歳)体制下で発祥して行きます。
1878年:社会主義鎮圧法
上記は「飴と鞭」
(Zuckerbrot und Peitsche)
ムチの方。
そんでもって
以下のこれらが
アメの方。
1883年:疾病保険
1884年:災害保険
1889年:老齢保険
1911年:「帝国保険法」:各種保険の統一
ビスちゃんは、
ドイツ社会主義労働者党(社会主義者)を弾圧(⇒ムチ)し、
その支持基盤となっていた労働者たちに対しては
社会保険(社会不安の解消)という飴(アメ)を与えました。
労働者は社会不安から社会主義者を支持していたので、
社会不安が解消されると、
社会主義者を支持する必要がなくなりました。
飴と鞭:しつけなどをするときに、甘やかす面と厳しくする面との両方を備えていることのたとえ。
故事ことわざ辞典 三省堂
日本国としましては、
ドイツさんとの協定が
1番目でないと・・・。
2番のイギリスの社会保障制度の略歴
産業革命の生誕地イギリスでは工場法(1833年)が
大きな発展をとげました。
1833年:工場法は
労働環境改善のために
少年の労働時間を規制しました。
「ゆりかごから墓場まで」
しかし、社会保障制度の動きは
有名なベバリッジ案以降でした。
世界大戦以後の国民生活安定策を模索する過程で、
各種社会保障および社会サービスを調査・再検討するための
委員会が設置され
委員長に経済学者ウィリアム・ベバレッジが就任しました。
1941年:ウィリアム ベバリッジ案
「揺り籠から墓場まで(from the cradle to the grave)」
1945年:家族手当法
1946年:国民保険法
1946年:国民保険サービス法
1947年:国民産業災害保険法
「高負担・高福祉」福祉国家スウェーデン
「高負担・高福祉」のスウェーデンとの協定は
つい最近(R4年)なのです。
1940年代後半~1950年代初期までに整備された社会保障
:基礎年金
:児童手当
:疾病保険
:出産保険
スウェーデンは
1950年代から1970年代にかけて
極端な福祉国家の実験例として繁栄します。
【世界大戦前後にスウェーデン国内外にあった福祉国家批判の例】
経済問題
包括的な福祉システムは国民経済の財政力を超えるとの批判。
経済成長の潜在的可能性を阻止するとも批判。
社会問題
福祉国家は退屈極まりない社会という批判。
過度に寛容な社会は不道徳であるという批判。
現状のスウェーデンへの批判や意見の例について
興味がある方は
「スウェーデンモデル」で
検索してみるとよいかもネ。
参考文献:世界歴史26 経済成長と国際緊張 P295 福祉国家の成立と展開 岡沢憲芙
ほーら、
1番:ドイツと
2番:イギリス
この順番を入れ替えて
作問者は引っ掛け問題をつくるんですよねエ。
(イギリスの方が労働環境改善では
世界に先駆けて進んでいたからねぇ。
勘違いしがち。)
社会保障協定とは
一 社会保障協定 我が国と我が国以外の締約国との間の社会保障に関する条約その他の国際約束であって、次に掲げる事項の一以上について定めるものをいう。
イ 医療保険制度に係る我が国の法令及び相手国法令の重複適用の回避に関する事項
ロ 年金制度に係る我が国の法令及び相手国法令の重複適用の回避に関する事項
ハ 我が国及び相手国の年金制度における給付を受ける資格を得るために必要とされる期間の通算並びに当該通算により支給することとされる給付の額の計算に関する事項
社会保障協定の実施に伴う厚生年金保険法等の特例等に関する法律2条より抜粋
「一以上(いちいじょう)について」は
掲げたイ、ロ、ハについて
1個以上(どれか1個でもいい)
という意味です。
例えば、
イギリスとの協定は
年金の期間の通算は行えません。
この場合、
重複適用の回避(二重加入の防止)のみ行えます。
以上、ご覧いただきありがとうございました。
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