これを読むと、
日々、時間がなく
「仕事の本」「試験勉強の本」が中心で
「小説」とはしばらく縁遠かった人でも
法律知識の適用例集として
読むことで
何度も読み返しをしたくなるかもしれません。
あるいは、「社労士試験のテキスト」を読むのは
飽きたので、気分転換したい人にも
おすすめです。
小説の作中の適用法律を列挙してみた
社労士が主人公の「小説」を2冊紹介します。
どちらも短編集です。
気になる箇所からお読みください。
作者:水生 大海(みずき ひろみ)
(監修:HRプラス社会保険労務士法人 佐藤広一)
「きみの正義は」2019(令和元)年 シリーズ第2弾 文藝春秋
- 「春の渦潮」
有期契約労働者無期転換ルール(労働契約法) - 「きみの正義は」
年少者の保護(労働基準法)
休業手当(労働基準法)
懲戒解雇・解雇予告手当(労働基準法)
就業規則(労働基準法) - 「わたしのために本を」
未払い残業代(労働基準法) - 「藪の中を探れ」
セクシャルハラスメント(男女雇用機会均等法) - 「らせん階段を上れ」
介護休業(育児・介護休業法)
介護休業給付金(雇用保険法)
年次有給休暇の計画的付与(労働基準法)
「希望のカケラ」2023(令和5)年 シリーズ第3弾 文春文庫
- 「そこは安息の地か」
雇用調整助成金の不正受給(雇用保険法) - 「甘い誘惑」
同一労働同一賃金(パートタイム・有期雇用労働法)
自爆営業:賠償予定の禁止(労働基準法16条) - 「凪を望む」
強制加入と特別加入(労災保険) - 「副業はユーチューバー」
就業規則(労働基準法) - 「希望のカケラ」
育児休業(育児・介護休業法)
育児休業給付金(雇用保険法)
リンク:第1弾「ひよっこ社労士のヒナコ」
はこちら
余計なこと
これは小説なので、読者へのサービスのため、 楽しんで読まれる作品(=売れる作品)に 仕上げなければならない宿命があります。
そこで、ストーリーが展開してゆく中で
読者の疑問を明らかにせねばならず、
主人公の社労士が探偵のように尋問(捜査)する過程で
登場人物の心情の謎解きがなされてゆくのです。
この点が、読んでいて面白いのですが、
(私、一個人の狭い社会経験の中で
培われた偏見で申し上げると・・)
実社会では、謎は謎のままで
(本当のことは)
見過ごされてしまうだろうと思われるお話も
いくつか見受けられます。
なぜなら、
小説の主人公ほど、社労士という
社外の立場では
事件に立ち入らないと思います。
そこで、社労士でもない
私(おっさん)は、
「前途有望な、お若い方たちが、
この小説の主人公にあこがれて、
社労士となって
幻滅しませんように・・・。」
と、老婆心を起こすのです。
「もめごとの
本当の部分は、
長い月日が過ぎてから
わかることが多いのですよ。」と。
ただし・・・
世間とはこうゆうものだという自分の理解も、日々少しずつ変化します。
「LISTEN」知性豊かで創造力がある人になれる ケイト・マーフィ 2021年8月 日経BP
昨日と同じ人はいないし、今日の自分は明日の自分とまったく同じでもありません。
意見や態度、信念は変わるものです。
(p121)
読み物としては、大変面白い作品です。
(逆に言うと、真実を明らかにしてくれて、
心がスッキリできるのが小説の素敵なところですね。
ドキュメンタリー(そのまま記述)は
著者(記者)の評価や
当事者のバイアス(偏り)が
どうしても入っちゃうから、
真実のようでいて、読む人により
少しずつ解釈が違ってきて、
解釈のふり幅が
小説よりも大きい気がするんですよね。)
現時点では、法改正により執筆時点とルールが異なっている ものもある(あるいは、今後出てくる。)と思いますので、 その点も留意の上、 物語をお楽しみください。
また、小説なんか読んで、
勉強していないんだから〜。
母ちゃん
これは、
労働契約法の
勉強なんだってば
よ〜。
以上、ご覧いただきありがとうございました。
コメント