フカとカフ
この2つの年金は国民年金の独自給付です。
しかしこの名付け親。
センスがいいのか?悪いのか?
・フカ(付加年金)
・カフ(寡婦年金)
聞き間違えや、言い間違えたら大変です。
今回は”フカ”のエピソードです。
”フカ”との初めての出会い(付加疑問)
私が付加という言葉と初めて出会ったのは英語の授業、付加疑問文である。
一つの陳述の後に付け加える簡単な疑問文である。
肯定文には否定の疑問を、否定文には肯定の疑問を付け加えるやりかたで、イントネーションによって(同意か確認)ニュアンスが異なると教わった気がする。
You will be coming this evening,won't you? You are coming this evening,aren't you? 今晩来るよね?
感想:Oh NO.難解。
”フカ”との2回目の出会い(付加価値)
小学館 大辞泉
付加価値:生産過程で新たに加えられた価値。一定期間の総生産額から原材料費・燃料費などと減価償却費を差し引いたもので、人件費・利子・利潤の合計になる。
感想:なにやら難解。
”フカ”との3回目の出会い(国民年金の付加年金)
いちばん親切な年金の本 社会保険労務士 清水典子 監修 ナツメ社 2021年6月
国民年金の第1号被保険者と任意加入被保険者(65歳以上を除く)は、定期保険料に付加保険料を上乗せして治めることで、受給する保険料を増やせます。
保険料は月額400円です。
付加年金額は「200円×付加保険料納付月数」で計算されます。
納めて分の保険料は2年で元が取れるのです。
なお、付加年金は定額のため、物価スライド(増額・減額)はありません。
申し込みは市区町村および町村役場の窓口でできます。
なお、国民年金基金との併用はできません。
どうです、こんな感じ。
情報がたくさんあって・・・・。少しお時間をいただきたい。
私は付加年金の特徴から小判鮫を連想している
ここで、話が道をそれますが、
鱶(ふか)という言葉をご存じでしょうか?
そうです、フカヒレのフカです
鮫(さめ)の中でも大きいものをさすのだそうです。
同時にまた、小判鮫(コバンザメ)という魚をご存じでしょうか?
この魚は正確には鮫ではないそうですが、魚の図鑑で初めて見てびっくりしたのを覚えています。自分で泳がずに、頭の上にある小判状の吸盤で大きな魚にくっついて泳ぐという、ちゃっかり者のズルい奴です。
察しのよいみなさまは、既にお気づきでしょうが、
フカ年金も老齢基礎年金という大きな魚にくっついて泳いでいるイメージです。
年金を受け取るとき、フカ年金くんは、小判鮫のごとく、大物の魚である老齢基礎年金にぴったりくっついて離れません。 老齢基礎年金には繰り上げ(前倒しで早くもらう)、繰り下げ(後倒しで遅くもらう)ことができますが、このフカ年金くんは老齢基礎年金にくっついて離れないことを徹底していてもはや自分では泳ぎません。
老齢基礎年金繰り上げれば、もちろん熟成されない(やせた魚)ので、毎年の金額はすくなくなります(これを減額といいいます)。 するとフカ年金くんも一緒にくっついて水揚げ(漁獲)されるので、熟成されない(やせた)ままです。 反対に、老齢基礎年金を後倒して受け取ろうと(繰り下げ)すれば、老齢基礎年金は熟成し脂ののった(割り増し)状態で毎年の金額は多くなります。 するとフカ年金くんも熟成して(脂が乗って)くるという具合です。
フカ年金くんは、小判鮫だ(特徴3つ)まとめ
- 彼は、老齢基礎年金にしかくっつきません。(=>他の魚(年金)には目もくれません。)
- しかも、絶対、自分では泳がない。(=>自分だけでは前倒し・後ろ倒しができない)
- 熟成度合い(減額率・増額率)も、くっついている老齢基礎年金と同じ。(=>繰上げ、繰下げによる減額率・増額率が適用)
<受験生メモ> ◆「フカ年金は繰上げ・繰下げの減額率が適用される。」 =>(フカ年金は小判鮫なのです。) ◆「フカ年金は物価スライドの減額・増額の影響は受けない。」 (=>老齢基礎年金などの年金は、賃金や物価に応じて額を保障しているので受給額もそれに合わせて変化しますが、フカ年金は変化しません。 つまり、フカ年金については、インフレや給与水準の上昇があっても、定額のままだから、価値が急激に下がることがありうるという捉え方もできます。) この2点は混同しないように区別して整理です。
出題例
平成19年度 問4-E
老齢基礎年金の支給を繰上げ又は繰下げる者に対して、付加年金を支給するときは、付加年金も老齢基礎年金と同様に繰上げ、繰下げて支給されるが、その際減額率、増額率は適用されない。
答え:誤り✕
支給額もそれに応じて減額又は増額されます。
平成29年度 問8-E
寡婦年金および付加年金の額は、毎年度、老齢基礎年金と同様の改定率によって改定される。
答え:誤り✕
付加年金の額は「200円×付加保険料納付月数」であって、
改定率によって改定されない。
なお、寡婦年金については正しい。
留意事項
<老後の資金計画を立てている方へメモ> (まさか、本ページの記事を本に、老後の年金計画を立てる方はいらっしゃらないとは思いますが、年金は重要事項ですので、念のため、留意事項を記しておきます。) 老齢基礎年金は、一度決めた漁獲時期による熟成度合い(減額率といいます)が一生変更されません。 (しかも、もらい始めると障害基礎年金を受けることができなくなります。) つまり、老齢基礎年金を繰上げ受給(早く受け取る)する場合、一生熟成されていない魚を戴く(毎年の年金額が減ってしまう)ことになるので、決定は慎重にしましょう。
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